セルロースファイバー断熱材

セルロースファイバー断熱材は、従来の断熱材に代わる、環境に優しくて高性能な素材です。主に再生された古紙から作られて、しかも再利用が可能な環境にも優れた素材です。

以下に、セルロースファイバー断熱材の主な利点を挙げます。

1. 優れた夏の遮熱性

木質繊維と同様に、セルロースも高い蓄熱能力（高い比熱容量）を持っています。これは、多くの熱エネルギーを吸収・蓄積し、室内に熱が伝わるのを防ぐことを意味します。この効果により、熱の位相シフトが長くなります。日中の熱は、大きな時間差を経てから室内に到達するため、多くの場合、夜間や深夜になります。その結果、日中は部屋を快適に涼しく保つことができ、エアコンの使用を減らし、居住性を高めます。

2. 冬の優れた蓄熱性能

セルロースは熱伝導率が低いため、冬の断熱材として効果的です。建物から熱が逃げるのを防ぎ、一定で快適な室温を保ちます。これにより、暖房費の削減につながるのです。

3. 優れた遮音性

セルロース繊維は密度が高く、特殊な構造をしているため、音波を非常によく吸収します。これにより、外部からの騒音（例：交通騒音）や内部の騒音を効果的に軽減することができます。これは居住の質を大幅に向上させます。

4. 調湿性と健康的な室内環境

セルロースは透湿性と毛細管活性を持つ素材です。これは、空気中の湿気を吸収、蓄え、必要に応じて放出することを意味します。この特性により、室内の湿度を自然に調整し、カビの発生を防ぎます。その結果、より健康で快適な室内環境が生まれます。

5. 環境に優しく、持続可能な製品

セルロース断熱材は、新聞紙から作られているため、一次エネルギー消費量が非常に少ないです。廃棄物（古紙）を利用しているため、環境負荷がさらに低減されます。化石燃料由来の断熱材（例：スタイロ）とは異なり、新しい資源を消費しません。

6. 継ぎ目のない施工（ブローイング工法）

セルロースは、ブローイング工法により施工します。この工法は専用の機械で空気と一緒にホースで圧送し、手の届きにくい隙間や不規則な形状にも完全に充填することができ、継ぎ目のない断熱層が形成されます。これにより、断熱効果が最大限に高まります。

7. 防火性と防虫性

ホウ酸などの鉱物塩を添加することで、セルロースは耐火性が向上します。火災時には表面だけが炭化し、火が広がるのを防ぎ、有毒ガスを放出しません。また、これらの成分は、カビや昆虫、げっ歯類に対する自然な保護剤としても機能します。

結論として、セルロースは、高い断熱性能、優れた遮熱性、そして室内環境に良い影響を与える、多用途で持続可能な断熱材と言えるでしょう。