〜スイスから来た大工さんとの会話〜
スイスから来た大工さんに、いきなりこんな質問をされた
確かに、冬になれば家の中にいたって寒い時は寒い
でも…
スイスだって冬になればやっぱり寒いでしょ?
「いやいや、スイスでは家の中はどこにいても同じ温度だし
夜になってもそんなに家の中の温度は変わらないよ」
と言われた
ホント?そりゃ暖房費にかけるお金があるからでしょ?
だってスイスは世界一お金持ちの国だし
「いやいや、きちんと断熱がしてあるから、逆に光熱費はかからない」
え?断熱?
スイスの家はどんな断熱をしてるの?
「例えば壁厚は30cm以上だし、窓ガラスはトリプルが当たり前、あと気密は…」
おいおいおい、それはやり過ぎだろ!
日本の家は、壁厚15cm〜20cm程度だし、窓ガラスだってペアが一般的…
じゃ家の中は、結露でヒドいんじゃないの?
「スイスでは新築で結露が起きた建物は、それは違法建築で作り直さなければいけない」
えっ結露だけで違法建築になるの?
なるほど、ヨーロッパ並みの高い断熱性能の住宅を作れば、
冬は暖かくなるし、逆に夏は涼しくなりそう
それはなんとなく分かる
でも、建築費は結構高いんじゃないの?
「確かに日本ではまだ普及していない材料をたくさん使うし
その分手間もかかるからイニシャルコスト(建築費用)は高い
でもトータルコストは安くなるはず」
トータルコストは安くなる?
どうして?
「まずランニングコストが安い、つまり光熱費をほぼゼロにすることも出来る」
光熱費がゼロってすごい!
ヨーロッパでは温暖化による自然災害があちこちで起きているって聞くし
日本よりも積極的に取り組んでいるんだね
「その通り!
ヨーロッパでは異常気象は日本以上に深刻な問題
だから光熱費を抑えることは環境問題に直結しているし
自分達の暮らしを守るためにも大事なことなんだ」
でも、光熱費の差だけで家のトータルコストが下がるの?
「それ以外にも、例えば結露が起きないから当然カビも発生しにくい
24時間換気でいつも空気は綺麗、つまり喘息やアレルギーの人も安心して住める
そして家の中はどこでも同じ温度だから、怖いヒートショックが起こる心配もない
健康でいることはすなはち医療費が少なくてすむことになる
だからトータルコストは下がるってことになる」
確かに、家族に誰かが病気になれば、金銭的な問題も含めて大きな負担になる
…と言うか、家族の健康がお金よりも大事なことかもしれない
それ以外には?
「断熱と気密の計算をキチンとして設計すれば
壁体内結露(へきたいないけつろ=見えない壁の中で発生する結露)も発生しないから
建物の構造部分(土台や柱など)が劣化しない
建物の価値が35年でゼロになる日本と違って
ヨーロッパの家は年数がたっても人気のある建物は逆に高くなる」
それはつまり…家の経年劣化は考えなくて良いってこと?
「もちろん日本の一般的な家と同様に
外壁や内壁など表面的なメンテナンスは必要だけれど
日本みたいに30年や40年で大規模なリフォーム
まして壊して建て替える必要はなど全くない」
それが「本当に価値のある家」
そもそも建築費(イニシャルコスト)が高くても、結果的に安くなるってことか
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スイスから来た大工さんとの会話は、大変なショックでした
でも、彼が言っていることが本当なら、と思い色々調べてみました
すると…
①日本の家はヨーロッパに比べて断熱基準が低すぎて話にならない
②有名なハウスメーカーの最高基準の家でもヨーロッパの基準では中程度
③しかもヨーロッパではもう数十年前から断熱基準が厳しくなり、国を挙げて研究が進み、今ではそれがスタンダードになっている
と言うことが分かり、ますますショックを受けました
スイスから来た大工さん
彼の夢は「日本でもヨーロッパ並みの断熱性能の優れた家を作り、多くの人にその快適性を知ってもらうこと」
その夢を実現するため、私たちはこの「Minimal.Energy.House.」プロジェクトを立ち上げたのです
この建物に興味のある方、ヨーロッパ並みの高断熱を体験したい方に
この家をモデルハウスとして公開しています
ご連絡いただければいつでもご案内できます